亀田興毅が山中と戦わない理由

亀田家の長男であるプロボクサー亀田興毅選手が2013年11月19日、WBA世界バンタム級タイトルマッチをおこない、8回目の防衛の成功した。

しかし、10回にはダウンを喫し、両目のまぶたを切り、足もとがふらつく状態での疑惑の判定勝利となり、後味の悪い試合となり、八百長判定という声や相手サイドからは判定を不服として提訴もされかねない状態だという。

亀田選手の8回目の防衛戦の相手、孫正五選手は世界14位ながら試合から遠ざかっていて引退まじかの32歳の選手だった。それでもこの大苦戦である。

試合を終えての亀田選手のブログでの一言がこちら。

亀田「実力は出せんかったけど、ボクシングの神様はオレを見放してないな」「オレに運があるってこと」

そもそも亀田選手にはV8に見合うような実力があるのだろうか?いや、V8どころか世界チャンピオンとしての実力はあるのだろうか?

テレビ局が作った「亀田フィーバー」

亀田を発掘したのはTBSエグゼクティブプロデューサーである菊池伸之氏だった。スター不在で世界戦の中継でも視聴率が10%を切るという状況の中、雑誌で亀田三兄弟の存在を知り独占契約を結んだ。

テレビ向きな強気のコメントとリングでの強さをもつ亀田興毅選手とインパクトの高い父・史郎氏、まだ子供でプロのリングには上がれなかったほかの兄弟も含め、亀田家の人気は社会現象といえるほどになっていった。

しかし、その人気はともかく「強さ」も作られたものではなかったかという疑惑がある。

デビューから亀田の対戦相手は無名のタイ人選手ばかりが続いた。

亀田興毅 対戦相手 弱い

対戦相手は無名なだけでなく戦績もひどい。多くがプロで1勝もしていない選手だ。

1戦目:デンナロン・シスソバ(タイ 0勝2敗)
2戦目:プラカルン・ツインズジム(タイ 0勝3敗)
3戦目:サミン・ツインズジム(タイ 0勝4敗)
4戦目:ダオチャイ・KTジム(タイ 0勝5敗)
5戦目:ノパデッチレック・チュワタナ(タイ 確認できる戦績なし)
6戦目:ヨードゲン・シンワンチャー(タイ 0勝4敗)

デビュー6戦目のあと、2005年に亀田選手は所属する大阪グリーンツダ・ジムから東京の協栄ジムに移籍した。

協栄ジム移籍後は、さらにメディア戦略もエスカレート、TBS系のバラエティやワイドショーに出演し、人気、知名度はどんどん高くなっていく。ローソン、パチンコメーカー・京楽産業、ナイキなど10を超えるスポンサー契約で世界チャンピオンになる前からすでに歴代チャンピオン以上の莫大な収入を得るようになっていた。

肝心のボクシングの方では、「日本人選手と一人もやっていない」「対戦相手は弱いボクサーばかり」という批判が徐々に浮き上がってきていたが、徹底的なマッチメイクでついんに世界戦を迎える。

社会問題に発展した疑惑のランダエタ世界戦

亀田選手は、元WBA世界ミニマム級暫定王者ファン・ランダエタとWBA世界ライトフライ級王座決定戦を行うことになる。

マッチメイクの時点で不可思議な点があった。当時の亀田興毅選手の階級はフライ級。ライトフライ級では一度も戦っていない。それなのに王座への挑戦権を得られたという点。

また、相手のランダエタ選手はミニマム級の元王者で、彼もまたライトフライ級の実力ある選手とは言えなかった。

ちなみにボクシングの階級はヘビー級を頂点に18段階に細かく分かれており、プロレベルの選手同士なら階級がひとつ違えばパンチの重さに格段の違いがあり、階級が上のものには通常歯が立たないという。

本来フライ級の亀田興毅選手とミニマム級のランダエタ選手とでは2階級の差があり、亀田サイドにとって非常に有利なマッチメイクであった。

しかし、試合が始まってみると、1ラウンド開始早々に亀田選手がダウン。終盤にもあわやKOと思われるシーンがあった。しかし、結果は判定でチャンピオンに。

この判定をめぐって、「判定はおかしい。」「ランダエタが勝っていたのでは?」「八百長判定だ!」などという声が広がり、元チャンピオンやボクシング解説者だけでなく、一般人も巻き込んで社会的な騒動にまで発展した。

次に行われた初防衛戦の相手としてランダエタと再戦した亀田は従来のファイタースタイルを封印、アウトボクシングに徹して判定で防衛に成功する。

しかし、もとも軽い階級のランダエタと試合をしただけで、同階級のほかの強豪選手と試合をすることなくライトフライ級王位を返上してしまう。

実際、今回だけにかぎらず、亀田選手は試合相手に弱い選手ばかりを選んでいる、といわれることが多いがこれを証明するおもしろい事実をひとつ紹介する。

亀田興毅選手のプロの戦績は、33戦32勝1敗。
そのうち、日本人ボクサーとの対戦は1度のみで残りはすべて外国人ボクサー。

ちなみに、同じ階級のバンタム級の世界王者(WBCバンタム級)である山中慎介選手の戦績は、22戦20勝0敗引き分け2。
そのうち、日本人ボクサーとの対戦は14人

かつて対戦した内藤大助選手の場合には戦績が42戦36勝3敗引き分け3。
そのうち、日本人ボクサーとの対戦は29人

亀田選手の対戦相手は外国人選手、しかも無名であったり、ピークを過ぎたブランクのある選手であったり、もともとの階級が下の選手であることが多いのは事実。

『論スポ』編集長、本郷氏によると、亀田陣営は、興行権(オプション。対戦相手を選ぶことができる)を持っている場合には巧妙に相手を選んでおり、これまでの対戦相手を整理すると、だいたい以下の条件を満たさないボクサーがあてはまっているという。

1 パンチ力がある
2.鋭いカウンターパンチャー
3.ダウンにつながるような回転力がある

パンチ力がある選手とは試合をしない、というのは亀田興毅選手が打たれ弱いということにあるという。

亀田が山中とは戦わない理由

現在のボクシング団体としては世界4団体という言い方をする。それ以外はローカルタイトルの扱いである。バンタム級では4大団体のうち、3つの団体で日本人が王者となっている。WBA王者が亀田興毅選手、WBC王者が山中慎介選手、WBO王者が亀田和毅選手だ。

日本人のチャンピオンが同じ階級に複数いる状態は素晴らしいともいえるがファンとしては、「誰が本当に強いのか?」が気になるもの。バンタム級世界統一戦が期待されているのだが、亀田陣営は決して応じようとしない。WBCバンタム級王者の山中慎介選手はパンチ力のあるボクサー。亀田陣営としてはもっとも対戦したくない相手だからだ。

対戦を避けているうちに、山中選手の体力が低下し強さが衰えるか引退するのを待っているのかもしれない。現在、山中選手は31歳、亀田興毅選手が27歳、亀田和毅選手はまだ22歳だ。

亀田兄弟がもし本気で「自分は強いボクサーである」と言うならば、山中慎介選手と亀田興毅選手、あるいは亀田和毅選手で戦い本物のチャンピオンを決めてほしいものだ。

ビッグマウスとは裏腹にアウトボクシングで格下相手に疑惑判定での勝利を続ける亀田選手の人気も急降下しているようで、世界戦中継の視聴率も下がり、会場には空席も見られるという。

発言は以前よりも大人しくなっているし、戦いはいつもすっきりとしない、ではプロスポーツとして人気が出る要素はないように思うから当然の結果といえるでしょう。

そんな中、亀田ジムが東京、世田谷区の三軒茶屋に移転することが決まった。
移転先は2フロア、190坪で、最新設備も導入するという。

現在の亀田ジムは民家を改築した個人的な練習場で亀田3兄弟だけが練習しているが、移転後はプロ選手養成をはじめフィットネス、キッズなどの各プログラムを用意し、合わせて500人の会員を見込む、ということなのだ。

500名とはさすが強気だ。会員がどの程度あつまるかも楽しみにしたい。

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